私は8年間の相続業務を遂行している中で、相続手続きに直面した、若しくは世間一般的にほとんどの人が以下の勘違いをしていることに気が付きました。
大きく分けると4つあります。

1.巷で言われ相続財産を分ける際の割合である「1/2」「1/3」「1/4」は最終手段でしか無い。
2.今の相続は「家」単位の相続ではなく、「人」単位の相続である。
3.借金がある場合には、何でもかんでも「相続放棄」をしてしまうと大損を被る場合がある。
4.相続税の対象者は全国で1割以下。(平成25年1月現在)

 

1. なぜ巷で言われる「割合」が最終手段なのか?

良く相続が開始された場合、上記のような割合を耳にしますが、本来はその割合を使う前にすべき事があります。
それは、本来の相続手続きの本質を知る必要があるのです。
本来、相続手続きが開始された場合、亡くなった方の意思を確認するために遺言を探すのが手始めです。
遺言を探したけれど見つからない場合には、残された家族によって亡くなった方の財産を分ける話し合いをするわけです。
この話し合いを「遺産分割協議」といいますが、この話し合いがうまくいかない、若しくは決着しない時に始めて、法律の力によって強制的に相続財産を分ける必要があるために、裁判所によって調停や裁判をする際に使用される割合でしか無いのです。
つまり、遺言をしっかり残しておくことによって、無用な争いを避けるだけでなく、亡くなった方の意思を伝える事が出来るようになるわけです。

2. 「人」単位の相続ってどういうこと?

昔は、家単位で相続を行っていたために、嫁いだ娘さんは、苗字が変わり、家を出たという判断から相続人となることが出来ませんでしたが、現在は、亡くなった方と戸籍上家族であれば相続人となれるという風に、人単位で相続を行うことになります。
ですから、以前相続人となれなかった嫁いだ娘さんでも相続人となることが可能です。
ただ、この制度に変えたことにより、本来家を守る人が財産を引き継ぐ代わりに、年老いた家族や幼少の家族を守り、家やお墓を守っていくという義務を負っていましたが、今は相続財産は欲しいが義務となる世話等を嫌がるために後々にトラブルになるということは多々あるような悲しい状況が増えてるのが事実です。

3. 何でもかんでも「相続放棄」すると大損するってどういうこと?

相続財産を相続する場合、現状マイナスの相続財産も相続しなければいけないのが現状です。
しかし、明確にプラスの財産をマイナスの財産のどちらが多いのかわからない時はどうすればいいでしょう。
多くの方々は、万が一を考えて「相続放棄」をお考えになられる方が多いのではないでしょうか?
しかし、日本の法律では、単純に相続をする場合の「単純承認」という判断と「相続放棄」という判断ともう一つの「限定承認」という判断があります。
この限定承認という判断は、プラスの財産とマイナスの財産を比較した場合、マイナスの財産をプラスの財産で補填し、それでもマイナスの財産が残るようであれば、残ったマイナスの財産は精算済みということが出来、更にプラスの財産が残った場合には、その財産を相続できるという判断です。
なかなか使えそうな判断ではありませんか?
ただ、注意点は何点かありますので、次の機会に書きたいと思います。

4. 相続税の対象者が1割程度ってどういうこと?

平成25年1月現在としたのは、平成27年頃に相続税の内容が変わる可能性があるという前提があるためです。
基本的に、相続が開始された場合、相続税の対称となるのはどのようなものであるのか?
現在は、相続財産の価値が最低限5,000万円以下であれば無税ですし、更に相続人の数×1,000万円を加えた金額まで無税になります。
つまり、奥さん+子供2人の相続人の場合の相続手続きにおいては、5,000万円+(1,000万円×3人)=8,000万円の価値を超える相続があった場合のみ相続税が関係してきます。
普通のサラリーマンで5,000万円を超える財産を持っている人ってなかなかいないですよね。
ですから、現状では意外に相続税の対象となる方は少ないのです。

 結論 

「相続」はほとんどの方が多くても2回位しか体験しない手続きであるために、そして、法律に基いて手続きを進めなければならないために、敬遠されがちであり、更には多くの誤解や勘違いが存在しております。
是非、困る前に専門家に相談して下さい。
皆さんが、本を読んだり、ネットで調べたりする時間の数分の1の時間で明確な回答を導き出してもらい、スムーズな手続きが実現できますから。